2013年に初代モデルが発売された「ヴェゼル」
コンパクトSUV市場で人気を誇り、複数年に渡りSUV販売台数1位を獲得している強力車種。
2021年4月に2代目モデルを発売後も好調なセールスを続けている人気車種です。
そんな中、2021年9月、最強ライバルとして登場したのが、カローラシリーズ初のSUV「カローラクロス」です。
カローラクロスは、コンパクトSUV市場でのヴェゼルの独走を阻止することができるのか期待されています。
ここでは、コンパクトSUV市場でトップを争う「カローラクロス」と「ヴェゼル」を比較しながら両車を紹介します。
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【サイズ比較】扱いやすさはカローラクロスの勝ち
- カローラクロス:全長4490mm/全幅1825mm/全高1620mm
- ヴェゼル:全長4330mm/全幅1790mm/全高1580~1590mm
カローラクロスのサイズがヴェゼルに対し、160mm長く、35mm幅広く、30~40mm高いです。
全てのサイズで上回り、高さがあることから、カローラクロスの方がより大きく感じられます。
全長はどちらもコンパクトな5ナンバーサイズですが、幅はクラウンの全幅である1800mm前後ありますので、ボディの感覚は実際に試乗して確認しましょう。
車の扱いやすさの目安となる最小回転半径は、
- カローラクロスは5.2m
- ヴェゼルは5.3m(16インチホイール車)~5.5m(18インチホイール車)
ボディサイズの大きいカローラクロスの方が、実は小回りの利くことを意味しています。
カローラクロスは、全幅が広く、左右の車輪の間隔を示すトレッド幅を大きく確保したことで、タイヤの切れ角を大きくすることができました。
両車のタイヤ幅が215mmで同等ですが、切れ角の大きいカローラクロスが小回り性能に優れる結果となっています。
【価格比較】ベースはカローラクロスが安いがグレード&オプション次第
199.9万円と唯一200万円を切る価格をラインナップするカローラクロスは低価格をアピールしていると言えます。
ただし、G”X”グレードは、
- スマートキー無し
- 2スピーカー
- USB端子無し
という具合に、装備が簡素化されます。
実際に検討するなら、カローラクロスもヴェゼルも共にGグレード(ガソリン)からと考えます。
- カローラクロス ガソリンG 2WD 224万円
- ヴェゼル ガソリンG 2WD 227.92万円
両車の価格は同等のスタートラインと言えます。
ハイブリッド車では、カローラクロスがヴェゼルの価格帯を若干下回る設定です。
カローラクロスハイブリッドGにはアルミホイール未装備など装備差はありますが、低価格をアピールしてオプションで調整するトヨタの戦略が見えてきます。
必要な装備をじっくりと見極め、価格のみにとらわれないグレード選びとオプションの組み合わせが重要となります。
自分の欲しい装備を揃えた時に、結局どちらがお得か?と考えることが大切です。
【乗り心地】互角
一般的に、乗り心地は、ホイールベースが長い車ほど快適性が高いです。
- カローラクロス:ホイールベース2640mm
- ヴェゼル:ホイールベース2610mm
カローラクロスの方が数値上、乗り心地に優れていると言えます。
ただし、普段の運転では差を感じることはなく、長距離ドライブで差が出るかどうかです。どちらもボディ剛性に優れ乗り心地に優れています。
従来、ヴェゼルに装備されるような大型ホイール(17インチや18インチ)は、乗り心地が悪いと言われてきました。
しかし、これは「15インチから18インチにインチアップした」など、純正サイズから変更した時の話です。
メーカー標準で用意された18インチホイール装着車の場合、乗り心地も含めてテストされ商品化されています。
なので、ヴェゼルのような大型ホイール標準装備車は、ハンドリングに優れ、乗り心地も両立したスポーティな走りが楽しめます。
【後部座席の快適性】ヴェゼルの勝ち
後部座席はヴェゼルが快適に過ごせます。
ミニバン並みに広く、ゆとりのある足元空間が解放感を高めています。
- カローラクロス:室内長1805mm
- ヴェゼル:室内長2010mm
室内長はヴェゼルが長く、その多くはリヤシートのゆとりつながっています。
カローラクロスも大人2名が快適に乗車できる空間は用意されてますが、ヴェゼルほど広く確保されていません。
カローラクロスの後席は全車リクライニング機構が備わる点はチェックポイントです。
【燃費比較】カローラクロスの勝ち
ガソリン車は、
- カローラクロスが1.8Lで14.4km/L(WTCL)
- ヴェゼルが1.5Lで17.0km/L(WTCL)
ヴェゼルが良好ですが、単純に排気量の差と考えられます。
ハイブリッド車は、カローラクロスが1.8L+ハイブリッドで26.2km/L(WTCL)、ヴェゼルが1.5L+ハイブリッドで24.8~25.0km/L(WTCL)です。
いずれも2WDですが、排気量の大きいカローラクロスに軍配が上がります。
ヴェセルは2代目になりハイブリッドのシステムを一新し、モーター走行領域を拡大していますが、トヨタのハイブリッドシステムが優れていると言えます。
燃費は車重が軽いほど有利になります。ヴェゼルハイブリッドの25.0km/Lのグレードは1350kgで最も軽く、他のグレードやカローラクロスは1380kg~です。
車の軽さとエンジンの燃焼効率+ハイブリッドシステム効率によって燃費が左右されます。
【荷室の広さ】互角&用途次第
- カローラクロス:荷室容量 487L
- ヴェゼル:荷室容量 非公表(先代モデル393Lより拡大されていない)
ヴェゼルはリヤデザインが緩やかに傾斜したクーペスタイルのため、荷室スペースが制限されます。
容量重視ならカローラクロスに軍配が上がります。
後席を倒した状態では、
- ヴェゼルがフルフラット状態に対し
- カローラクロスは段差ができる
オプションの「ラゲージアクティブボックス」でフラットにすることができますが、標準状態でリヤシートを倒して使用する際の使い勝手はヴェゼルが良好です。
【外観比較】力強いカローラクロスvsスポーティーなヴェゼル
カローラクロスは、大型で四角形のフロントグリルが特徴で、1800mmを越えるワイドな全幅がSUVらしい力強さを感じさせるデザインです。
ヴェゼルは、下が狭い六角形のフロントグリルとバンパーにも横長のグリルを採用したスポーティなデザインが特徴です。
また、クーペ風のデザインでスポーティな印象をさらに高めています。
【インテリア】機能のカローラクロスvs高級感のヴェゼル
カローラクロスのインパネはスッキリとした水平基調のデザインで中央に7インチのディスプレイオーディオを装備します。
GとSグレードには9インチのディスプレイもオプションで用意され、空調は左右独立温度調整式でクラスを越えた快適装備が魅力的です。
ヴェゼルのインパネは塊感のあるスポーティなデザインで、中央に7インチのディスプレイを装備します。最上級の「PLaY」には9インチのディスプレイが装備されるのが特徴です。
手に触れるような部分の素材はプラスチックではなく柔らかい素材を使用しており、各部にシルバーのアクセントは高級感を演出、写真で見る以上の上質感があります。
なお、通信機能を持つコネクテッドサービスはカローラクロス・ヴェゼル両車標準で装備しアプリの利用も可能です。
充電可能なUSB端子はカローラクロスのG”X”グレードを除き、両車標準で装備する他、ヴェゼルハイブリッドZ以上には後席用の急速充電用USB端子も装備されます。
カローラクロスのハイブリッドには、非常時給電システムがオプションで用意され、100V電源で1500Wまでの家電が使用可能です。
ヴェゼルに非常時給電システムはありません。
【パノラマルーフ比較】カローラクロスの勝ち?
カローラクロスでパノラマルーフが欲しい場合、Gグレードを除きメーカーオプション(11万円)で用意されます。
大型の1枚ガラスで開閉はできません。サンシェードは電動式を採用(挟み込み防止機能付)し、手軽に開閉が可能です。
一方、ヴェゼルでパノラマルーフが欲しい場合、最上級グレード「PLaY」の選択が必須で標準装備されます。
フロントとリアの2枚のガラスルーフがあり、ガラスルーフの開閉はできません。
サイズが大きい方のシェードは引き出し式ではなく、左右二分割の着脱式が少々面倒で、外した時の保管に困るというデメリットも。
車両代も含めたトータル費用が抑えられ、簡単でスマートに操作したいなら、カローラクロスにメーカーオプションでパノラマルーフを装備することをおすすめします。
【雪道走破性】ヴェゼルの勝ち
雪道対応は4WDのシステムが重要になります。
後輪を本格4WD車同様プロペラシャフトで駆動する、ヴェゼルが優れています。
都会的な外観とは裏腹に、雪道の走破性はカローラクロスより上だと言えるでしょう。
カローラクロスはハイブリッド車にのみ4WDを設定し、後輪駆動用のモーターを搭載したE-fourを採用します。
プロペラシャフトが無いことで燃費への影響が少ないのですが、モーター出力は5.3kWと小さく、滑りやすい路面での発進をアシストするのみです。
通常走行時は前輪駆動でエンジンブレーキや回生ブレーキは前輪のみです。
モーター駆動の構造上カローラクロスのガソリン車には4WDの設定はありません。
フロントからプロペラシャフトで後輪を駆動するヴェゼルは、力強いトルクを後輪に伝えることが可能です。発進時のみならず通常走行時にも高い走行安定性に貢献しています。
エンジンブレーキも4輪でガッチリ路面をとらえ、安定した制動力を発揮するのが特徴です。
ハイブリッドのみでなくガソリン車にも4WDの設定があり、気になる燃費も2km/L前後のダウンに抑えられており魅力的です。
キャンプや車中泊するならどっち?
どちらも適しています!(笑)というのが結論です。
まず、カローラクロスは後席を倒しても、実はフラットになりません。
ディーラーオプションでラゲージアクティブボックスを選ぶことで段差が解消しフラットになります。
さらに、バンパーとの高さが同等となりアクセスに便利です。
車中泊を多様するならラゲージアクティブボックスとハイブリッドのみですが給電システムをオプションで選択すると1500Wまでの電源が利用できおすすめです。
カローラクロスの車中泊に関しては、こちらで解説しています。
カローラクロスは車中泊可能!狭さ克服の必須オプションと社外品紹介
ヴェゼルはシートを倒すとフラットになります。バンパーの高さよりも下になるためドアからのアクセスがおすすめです。
薄いマットを敷くことでより快適になるでしょう。
【まとめ】カローラクロスVSヴェゼルの比較総括
どちらもコンパクトSUVのジャンルで人気を競う車種です。
ガソリンとハイブリッドを用意し、価格帯も同価格帯の両車はどちらが自分に合っているか??
迷ってしまう方も少なくないでしょう。
「カローラクロス」と「ヴェゼル」それぞれおすすめできる人についてまとめました。
カローラクロスをおすすめできる人
- アウトドアを好み、力強いデザインの車が好きな人
- 取り回し性能を重視する人
- とにかく燃費の良いSUVを求める人
- 災害時などのために非常用給電システムを確保したい人
トヨタ車をお探しなら、こちらの記事もぜひご覧ください
【実は安い】カローラクロスをKINTO利用する場合の価格考察
ヴェゼルをおすすめできる人
- スポーティなデザインのSUVを好む人
- 上質なインテリア空間を好む人
- 積雪の多い地域の方々や悪路走破性を重視するなど、4WD性能を重視する人
- 後部座席のゆとり、足元空間の広さを重視する人
ヴェゼルをお探しなら、非公開車両の検索もお忘れなく!
さらにTOYOTA同士のライバル車比較も!
【比較】カローラクロスとヤリスクロスとRAV4|価格・サイズ・燃費どの車がベストチョイス?